「どうだ、きれいだろう?」
一本の大きな木の上に
きれいなビーズやキラキラ光る色ガラスが
クリスマスツリーのオーナメントように飾られています。

「まあ! とってもステキだわ」
「女の子はこんなのが好きだと思ってなぁー」
ロッティーの住んでいる、ムーンライトの森には
こんな、きれいに飾られた木はありません。
キラキラ光る色ガラスが、ロッティーは欲しくなりました。

「あのきれいな色ガラスが欲しいなぁ……」
思わず、つぶやいたロッティーの声をチャムはききのがしません。
「たくさんあるんだから、一つくらい持っていってもバレないさ」
「ダメ、ダメ!」
ロッティーは断りました。
「誰も見てないじゃないか」
「あたしは人のものを盗ったりしないわ!」
そう言って、その場を立ち去ろうとしたロッティー
すると、チャムは木に登って色ガラスを盗みました。

「やるよ! これ」
そして、ロッティーに色ガラスのカケラを渡そうとします。
「ダメ! いらない」
「盗ったのは、俺さまだから持っていけよ」
「盗ったものなんかいらない!」
そう言い合って、ふたりはもみ合っていました。

そこへ、空から大きな黒いツバサが飛んできて
ふたりを目がけて襲ってきたのです。