「名前・・・聞いてなかった。

 教えてくれないか?」

クラインがそういうと、

少女はくるっと踵だけで回って

クラインの方を向く。

遠心力で長い白髪が弧を描き、

前髪で隠れていた顔の左側も見えた。

「私の名前は・・・   です」

「えっ?」