『じゃあな』


匡人は息ひとつ乱さず、何事もなかったかのように生徒会室から出て行った


「っな…っ!!」


私はその場にズルッとしゃがみこんだ


何を考えているのかわからないあの男


早まったかもしれない…


あいつの女になるって、私はてっきり恋人のフリをするだけだど思ってた


また…キス…


しかもまた濃厚なやつを…


口の中にあいつの舌の感触が残っているようだ…


私のこと好きでもないくせにっ!!


悔しかった


自分が自分じゃないみたいで…


私は少しずつ…でも確実にあいつのペースにはまっていた―…