大原のそばには男がいて、そいつが大原を後ろから抱きしめた


恥ずかしい奴ら…


めちゃくちゃ見られてるのがわかってんのか…?


イライラした


他の誰よりも俺には喚き散らすくせに、その男にはなすがままになっている大原に一番腹が立った


俺は苛立ちを隠しながら、大原達に注意を促すことにした














「痴話喧嘩はよそでやれよ」


思いもよらない俺の介入に大原も男もポカーンと口を開けていた


間抜け面もいいところ…


「お前らここがどこだか知ってるか…?」


そう言うと、男の方は慌てて大原を解放した


『凪…話はそれだけ…俺…本気だから…』


男はそう言い残すと、足早にこの場を去っていった