「はぁ―…」


長いため息が洩れる


夕方特有の赤い光に照らされた教室



その赤さは小憎たらしいあいつの顔を思い出させた


キスの後に頬を赤く染め、潤んだ瞳で俺を見上げた――…






大原を…


俺は愁がいなくなった後も教室に残り、ひとり物思いに耽った――…


何であの時…


俺は大原なんかにキスしたんだ…?


らしくない行動は理性に反していた


“魔が差した”


そう言えたら楽だろうが大原や愁曰わく、俺は元々悪魔のような性格らしい…


“魔が差す”なんてありえない


だったらあの焼けつくような衝動はなんだったんだ…?


口が減らなくて意地っ張りで負けず嫌いなあいつ








キスだけは…







焦げつくように熱かった――…