「じゃあね」


『うんまた電話するね!!』


美弦の家に着き、楽しかった旅行ももう終わり


今から私は平凡な生活に逆戻り


『凪ちゃん!!』


帰ろうとする私を美弦が引き止めた


「なに?」


振り返ると真剣な顔をした美弦が間近にいた


『自分の気持ちは自分にしかわからないんだよ。』


美弦は私の手をぎゅっと握った


『だから…もし凪ちゃんが誰かを好きになったなら素直に気持ちを伝えて?』


私は美弦の頭を撫でた


「ありがと」


ありがと―…


伝える日が来るかはまだわからない


それでも美弦の言葉は私の勇気になる――…


私は手を振って高梨家を後にした


そっと優しい風か吹く――…


『送ってく』


「うん」


私は匡人に素直に頷いた