『どうしてだと思う?』


どうしてって…


「値札を気にするような客はこっちから願い下げだ――っ!!……とか…?」


自分で言っていても信じられなくて頬が引きつる


『正解』


やや、やっぱりぃぃぃ――っ!!


「こんな高い靴、買えない…」


『バーカ。最初からお前に買わせるわけないだろ?買わせたら俺の恥だ』


なんかこの店から消えたくなってきた…


『東城様、こちらはどうでしょうか?』


爽やかな笑顔とともに再登場した店員の手にはブルーのミュール


『足、出して』


用意された椅子に腰掛けていた私は言われるがままに足をだした


匡人の手が足首に触れる


その光景はまるであの童話のワンシーンのようで少しドキドキした


青は匡人の色


心だけではなく足元まで匡人に染められていく――…