『そっか…』


“事情”のことはあえて追及しない


美弦のそういうところが好きだ


『じゃあ、悪いことしちゃったね…匡人先輩と同室じゃ気まずいよね?愁に相談して部屋割り変えてもらうよ!!』


「いい!!このままで平気だから!!」


今にも部屋を飛び出しリビングにいる高屋先輩に頼み込みそうな美弦の服の裾をつかむ


余計なことすんな!!


私は高屋先輩に睨まれたくない!!


それに…


きっと高屋先輩は匡人と私が恋人同士でないことくらいわかっていただろう


はたからみたら驚くくらいオーラがないもん


それでも私達を同室にしたくらいだ


自分の目的のためなら容赦ないな…


『気が変わったらすぐに言ってね?』


「ハイハイ」


美弦はストンと元の位置に戻った