「あれ、欲しいのか…?」


『欲しいけど結構な値段するみたい』


凪はふっと諦めたように笑った


「俺もあのパズルが欲しいな…」


『えっ?』


俺は棚からひとつ同じものを取り出すと、レジへと向かった


「ほらっ!!」


凪に向かって袋を放り投げる


「やる」


『は!?』


凪は驚いて慌てて口を開いた


『いらないし!!だいいち!!匡人に買ってもらわなくても…』


「俺だってただでやるわけじゃない。出来たら俺に見せろ。それが条件だ」


もう一度あの青を見たい


俺と凪が共有することの出来た感情を…


希望のように照らされた海を…


もう一度見たい―…


『ありがと…』


凪はパズルの箱をぎゅっと胸に抱えた―…