「何がいい？」
『あれでいい』
匡人が指差したのはクレープ屋さんだった
雑誌かなんかでおいしいって評判になってたやつだ
注文をすると『しばらくお待ちください』と言われたので、私たちは適当に腰掛けた
「甘いの嫌いなの…？」
匡人が頼んだのはツナサラダ
クレープ屋のなかでも珍しい、甘くないものだった
『嫌いではない。自分から進んで食べようと思わないだけ』
「ふ～ん」
『お前こそ、あんな甘そうなもの頼みやがって。太るぞ』
「いいじゃない!!女の子はみんな甘いものが好きなんですぅ!!」
イチゴカスタードクリームのどこがいけないのよ!?
案の定、私がおいしそうに頬張っていると匡人は胸焼けでも起こしたような顔になっていた
その後、美弦と高屋先輩とも合流してなんだかんだ言いながら朝まで騒いでいた
こうして旅行１日目は過ぎて行ったのである
