「俺に“ついてきてください”って正直に言えよ」


何で俺に頼まないんだよ


下からすくい上げるように見ると、凪は慌てて目をそらした


『やっぱりいい…っ…』

背を向ける凪にゆっくりと近づく


分かってないな…


「何で?」


首筋な顔をうずめるとシャンプーの香りが強くなった


欲情する――…


「俺達“恋人”だろ?」

八頭のことがあって忘れてたか?


『ちっちが…』


「“ついてきてください”は?」


否定される前にそう囁く


ホント…こいつわかってねぇ…


なんでもいい


お前の口から俺がいいって言わせたい


早く、俺のものに…


気ばかり焦る


『っ…ついてきて…?』


俺はクスリと笑みを洩らした


「気が向いたらな…」








こうして俺たちの旅行が決定した――…