何もかも、なかったことに出来たらよかった――…



屋上に行き、タバコをふかす


大原の話は俺に様々なものをもたらした


結局、汚れていたのは俺だけか―…


いつの間にか大原に対して芽生えていた同族意識


それは間違いだった


あいつは“まとも”だ


ただ少し純粋過ぎただけだ


俺みたいに始めからこっちの世界に…黒い世界に染まってなかった


俺が悪魔ならあいつは堕天使


堕ちてしまった天使―…


俺はいつからこんな風になったのか…?


生まれた時から東城の跡継ぎとしてもてはやされてきた


別に不満はない…


不満はないはずなんだ…


ただ…