赤い狼 壱






本当に関東の誰もが知ってるって事ってあるの?



だって、暴走族だよ?そんなに注目されるものなの?



詳しくは分からないけど。と頭を悩ませる。うーん。よく分かんないや。でもさ、こう見てみるとさ…




「でも、案外皆、普通だね!」



そんなに怖くないし!と笑顔で皆を見る。



うん、むしろ優しそう。隼人を除いてね。




「いや……つーか稚春、今の話聞いて俺らが怖くねぇの?」



「何で?族に入ってても関東統一してても、皆は皆じゃん。」



目をパチパチと開け閉めする連に、ねっ!と笑いかける。



すると連達はパチパチさせていた目をもっと早いスピードで瞬きさせた。




「「「「「稚春って……。」」」」」




「えっ?何っ?」




唖然として私を見てくる皆に混乱。私、何かしたっけ?




「いや、何でもねぇ。」




首を傾げる私に、顔を反らす銀。




「やっぱり、稚春はいい奴~!」




ニコッと笑う奏。




「ハハッ。稚春にはこれからも、そのまんまで居てほしいな。」




優しく微笑む棗。




「稚っ春!LOVE!」




勢いよく抱きついてくる連。




「やっぱり稚春に決定だ。」




力強く頷く隼人。