っていうか…
「隼人っ!私、そんなの聞いてないんだけどっ!!」
ねぇ、と怒りながら雑誌を黙々と見ている隼人に近付く。
でも、隼人はそのまま雑誌を見ながら、しれっとした口調で。
「教えてねぇんだから当たり前だろ。つーか、知らねぇ方がおかしい。」
「はぁ?どういう意味よ。私が馬鹿だって言いたいの!?」
「少しは落ち着け。」
「落ち着けてたら、とっくに落ち着いてるわっ!」
「おい棗。」
「了解。稚春、俺が説明するから取り敢えずこっちに座って。」
隼人が私の扱いを諦めた。代わりに棗が説明をしてくれるらしい。
まぁ、棗が説明してくれるんなら大人しくしておこうじゃないか。
「…分かった。」
棗が指定したソファーに渋りながら座る。
「…で、稚春はどこが分かんない?」
分からない事あったら何でも言って。と優しく私に聞いてくる棗。
し、紳士だ。棗がキラキラと輝いて見えるよ。本当、誰かさんとは大違い。

