「ハハッ、そんなにジロジロ見なくても。初めまして。俺、一応ここの副総長やってる
呉林 棗
(くればやし なつめ)ね。
あ、それと銀と奏は幹部だから。そして稚春の隣に居るのが
槙原 連
(まきはら れん)ね。連も幹部。
つーか連は女嫌いなのに稚春には……凄くなついてるね。稚春の力ってやつなのかな?」
神さ…じゃなかった。棗は整った切れ長の目で私と連が繋いでいる手を見た後、まじまじと私の顔を見つめてくる。
整った棗の顔が近い。
私よりはるかに背が高い棗の、金色に前髪だけピンクのメッシュが入っている髪の毛が窓から射し込む太陽の光に当たってキラキラ光る。
ち、ちょー綺麗だけどそんなに見つめられても、困る。
じいいいと長い間見つめられて、なんだか恥ずかしくなって下を向く。
「あぁーーーー!稚春、顔が赤いぞ!棗に照れるな!」
連が赤くなっている私の顔を覗き込んで耳元で叫ぶ。
耳、痛いんだけど。
急に耳元で大きな声で叫ばれて顔を顰める。
トーンをもう少し落としてくれ。
耳に指を突っ込みながら棗の台詞を頭の中で整理する。

