赤い狼 壱









何でさっきからため息ばっかりつくの!?と言いたげな瞳で棗を見ていると





「…稚春って、一番危ないタイプだよな。…天然ってこぇ~。」




とブツブツと何か呟いていた。






「何が恐いの?」



「…あ?いや、何でもない。もぅぃぃよ。今日は一人でベッド使ってぃぃよ。」




そういって棗はソファーで寝ようとする。









…え?




何で?







「ぃぃよ。棗、風邪引くよ!」



ソファーで寝ようとする棗に近寄る。







でも棗は




「いや、俺は大丈夫!稚春はぃぃからベッドで寝ろ!」




と近寄るな!とジェスチャーする。







…何が!






「何が大丈夫だぁー!夏風邪ナメるなぁー!私のせいで風邪引かれたら困るの!ぃぃから一緒に寝ようよ!」




ソファーから棗を引きずり降ろしてベッドに向かう。