赤い狼 壱







「うわ。稚春ヒド。俺、稚春に服貸してあげた人なのに!」




…こっちだって酷いめにあったわ!




「何よ!ぃぃじゃん!文句の一つや、二つ!三つや四つ!」



「それ、多くない?」



「多くない!」



「え、そうなの?」



「え、うん。多…分…?」



「ブッ。何それ。」



「笑わないでよ。」



「ごめん、ごめん。」



「別に…ぃぃ…けど。」




ゔ…。なんか、棗のペースに巻き込まれている気が…っ!







あ゙…、っていうか!






「服、ブカブカ!」



「しょうがないじゃん。俺のしか無いんだし。」



「~~~でも~~~。」




…私、こんなに諦め悪かったっけ?




そう思いながら棗を見つめる。