赤い狼 壱







「ひゃ!何!?プッ、ククッ…。くすぐったいよー、棗。止めてぇー!」



「え、ヤダ。」




え、ヤダってなんだよ!




「だって稚春、俺見て笑ってただろ。…その仕返し?」




…な、なんて子供なんだ…。






「わ、分かった!分かったから!悪かったって!」





もぅ限界!笑い死にする~!





と思った瞬間、くすぶりの嵐が止んだ。







…あ゙ー、助かった…。




マジで死ぬかと思った…。






まだ私の上に乗っかっている棗を軽く睨む。






すると、棗は肩を揺らしながら笑っていた。






「何よ!棗が悪いんでしょ!」




頬をプクーと膨らまして棗に怒る。