赤い狼 壱






我慢してたけどもう限界だ。これ以上息しなかったら死ぬ。酸素不足で死ぬ。塚、酸素ボンベぷりーず。




浅く顔が埋もっているならまだしも、深く埋もっているから鼻呼吸も口呼吸もできない。


このままじゃ、マジで死ぬ。苦しさでギュウと瞼に力を込めた瞬間、脳内で私の生命危険装置が発動した。





《隊長!!もう酸素が体内に30%しかありません!》



《諦めるな!まだ時間はある!!酸素を確保するように肺に指令を出すんだ!》



《ですが隊長、肺は酸素が50%になった時点で動きが鈍くなっています!》



《非常事態なんだぞ!肺が頑張らねば私らも死んでしまう!!》



《…っ、分かりました!やってみます!!弱音吐いてすいませんでした!》



《いいんだよ、一号。君は優秀な私の部下だ。》



《隊長…。》



「隊長ーーー!!」