赤い狼 壱







と、




「待って!連くん!!」



「頭よしよしさせてー!」



「逃げないでよ~!」






女どもがスゲェ速いスピードで俺らを追いかけてきた。は!?ちょ、コイツら速ぇえええぇ!!!





「化け物か!」



「走って!!」



「言われなくても走る!」





走らねぇと食われちまう!!切実にそう思った俺は全速力で走った。もう途中は稚春が引きずられるようなくらいのスピードで。




そしてそのまま見えた建物の裏に隠れる。これでなんとか撒けたか?




そろーと建物から顔を覗かせて見てみる。女はどこにも居なかった。撒いたか。




走ったせいで乱れた息を整える。マジでアイツら怖かった。獲物を狙う目ぇしてた。シマウマがライオンに追いかけられる気持ちが分かった。



バクバクと暴れる心臓を上から押さえる。俺の脳には【女は獣】と重要資料にインプットされた。マジこれ重要。