赤い狼 壱






あり得ない単語に目が点になる。何だって?可愛い?誰が?






「目潰ししたら治る?」



「俺の人生に関わるから止めろ。下手したら盲目だ。」





ですよね。




目潰ししようと用意していたピースの形をした右手を降ろす。そんな様子の私に連がフッと柔らかく笑う。




それを見てドキッと胸が跳ねた。なんだコレ。なんだコレ。




「稚春、可愛いーよ?」




「…っ、」




ヤバい。今のはキタ。




思わず地面に視線を向ける。




私、絶対今、顔真っ赤だ。




「あー…。」




顔の熱をどうにか取ることはできないのだろうかと方法を考えてみるけど無理っぽい。



だから仕方なく、連を見る。






「…って、連も真っ赤じゃん。」




「バカっ…、真っ赤じゃねぇしっ!」




私から顔を背ける連は耳まで真っ赤にしてるのに否定する。



え。何その反応。可愛いんですけど。