でも満面の笑みで抱きついてくる連を見たら嬉しいとかいいな、とか思った。
なるべく無意味に抱きついてくる癖は直してほしいけど。
今は可愛いから許す。
「つーかよ、女って怖いよな。」
抱きついたまま急に喋りだした連の低い声に、たぶんとんでもなく緩んでいる顔を両手で覆いながら耳を傾ける。
「私も女だよ?」
「稚春は別!俺はさっきの女たちのことを言ってんだ。」
「あ。さっき囲まれてたやつ?」
「あぁ、あれは死ぬかと思った…。」
そう言いながらブルッと身震いをする連。
「………。」
それを見て、そんなに嫌いなら会いに来なかったら良かったのに。と思ってしまうのは私だけなんだろうか。
いや、たぶん来たのは私のためなんだろうけどさ。なんていうか…こう……。連に悪いじゃん?
「おい稚春。今そんなに嫌なら来んなって思っただろ。」
「そんな酷い感じで思ってない。」
「似たようなこと思ったんだな。」
……エスパー連。
隼人に続き、連がエスパーだと自白しやがった。恐るべし暴走族。
「………思ってない。」
「なんだ最初の間は。つーか顔に出てるし。…まぁ、そういう所が可愛いんだけど。」
「………。」

