ジクジクと背中が痛む。
ジクジク、ジクジク。
ジクジクジクジク。
―――痛い。
鏡の中の自分がもっと顔を歪めて、ハッとした。
「時間…。」
慌てて携帯を開いて時間を確認する。
明るい画面が指している時刻は…6時半。
ヤバいっ。あそこの部屋出てきてから10分も経ってる。
あわあわと携帯を鞄に収めてトイレから出る。
このままじゃ、あの二人が探しに来ちゃう!
たぶんもうすぐ私が帰ってくるのが遅いから探してくるだろう実と香に見付かる前に、と小走りで出口に向かう。
出口はもう少し。突き当たりの角を曲がれば出口だ。
実と香に見付からずにすみそうだ、と少しホッとしながら角を曲がる。
その瞬間――
ドンッ!バシャッ
「キャッ!!」
何かに勢いよくぶつかって床に弾き飛ばされた。
サーと血の気が引く。
だって今、何かがかかる音がした。
まさか…、と恐る恐る視線を上に上げる。

