「……なぁ、どう思う?」




隼人が稚春を送っている間、真剣な面持ちで話す棗がこの部屋にいる三人に問い掛ける。




「別に。」



「何が~?」



「あれはマジなんじゃねぇのか?まぁ、隼人は自分では気付いてねぇ感じだけどよ~。」




ラスボスに差しかかって唾を呑み込む連に、目に掛かった前髪を弄りながら呑気に返事をする奏。


女の子にだろう、カチカチと凄い早さでメールを打つ銀。




それぞれ自分のしたい事をしながら答える三人にため息を溢す棗は、パソコンの画面を見つめながら口を開いた。




「アイツ、本気になんのかな。」



「俺はそう思うよ~。」



「聞いてたんじゃねぇかよ、奏さんよ~。」




棗への奏の返事に銀がケケケ、と笑いながら言う。



24人に返信完了、と銀によって閉じられた携帯はまたメールを受信したらしく、震えだした。




「誰も聞いてないとは言ってないじゃ~ん。」



「確かにそうだな。つーかメールって面倒臭ぇ。」



「銀、それは返すから来るんでしょ~。放っといて使える時だけ連絡すればいいんだよ~。」




馬鹿だなぁ、と奏が机に肘を立てて頬杖をしながら銀を呆れた様子で見つめる。