赤い狼 壱






「す、すご…。」




倉庫の中を見て口をポカンと開ける稚春に微かに笑う。



俺も初めて見た時、スゲェ!って目を輝かせていたのを思い出した。



もっと驚かしてやろうとバイクの台数を稚春に教える。思った通り、稚春は声を張り上げたもんだからまた笑えた。



でも握っている手を強く握り返されるのは予想してなくて、柄にもなく驚いた。


おい、待てよ。コイツ急にどうした?




「隼人さん、この女の方は?」




困惑しながらも握り返そうかどうしようかと迷っているところに、

奏達を迎えに行く時の運転手に声をかけられて、あぁ、と声を漏らす。




「俺の…大事な奴?」



「何で疑問系なんスか。」




ハハッ、と笑われてそうだよな、と少し恥ずかしく思いながら返事を返す。




「大事な人を見付けられて良かったですね。」



「……お前。」



「はい。」



「いい奴だな。」



「そうですかね?」




首を傾げるその男にいい奴だ、ともう一度言って車を用意するように頼む。



分かりました、と人受けの良さそうな笑顔を見せた男を見届けて稚春へと視線を向ける。