赤い狼 壱






「今お前、乗りたくねぇとか思ったろ。俺が送るって言ってんだ、素直に送られろ。


ちゃんと安全運転してやる……って何してんだ。」



「さぁ吐きなさい!!」



「お前、一回病院行った方がいいんじゃねぇ?」



「失礼な!正常です!!」




後ろを向いた事に軽く後悔した。何だコイツ。頭大丈夫か?俺に指差して歩くってどうなんだ。



稚春の頭が心配になって足を止めて稚春の額に手を当てる。



大丈夫だ。熱はねぇ。


じゃあ本当にただ頭がおかしいだけなのか?と眉間に皺を寄せる。



マジかよ。家に帰らせるより病院に連れて行った方がいいかもしれねぇな。



そう真剣に考えていると稚春が何で送るつもりなのか、と首を傾げた。


はぁ?何言ってんだ。バイクに決まってんじゃねぇかよ。それ以外に何があんだよ。



変な奴、と横目で稚春を見ながら止めていた足をまた動かす。



それから、倉庫に着くまで色んな質問をしてくる稚春に答えた。


稚春が俺と同じ歳な事が分かったり、俺がエスパーだと思い込んだり、


意外と無免許の奴の後ろには乗らねぇって事が分かったりして意外と楽しかった。



追い掛けて良かった、と密かに思ったのは誰にも言わねぇ。