赤い狼 壱






「…つーか、連が押し倒してる。」



「女と話してて笑顔じゃねぇか。」



「コイツ、本当に連~?」




すると混乱しているのは後ろの三人も同じだったらしく、三人も疑問をポツリと溢した。




でも暫くして…




「なぁ、なんか笑えてくるのって俺だけか?なぁ、俺だけじゃねぇよな?隼人も笑えるよな?」



「いや、銀だけじゃない。俺もなんか笑えてきた。だって連だよ?あり得ないじゃん。」



「俺は今日、奇跡を見ました~。しかも凄く笑えま~す。」




不思議な光景を見すぎた後ろの三人が笑いだした。



……壊れた。




後ろから聞こえる笑い声を耳に入れる。



そしたらなんだか俺まで笑えてきて、




「ハハッ。ク、ククククッ」




笑った。




それを次は稚春が呆然と見てきて、コイツただ者じゃねぇな、と眉を下げる稚春を見る。




あの連に好かれるって。どんな手ぇ使ったんだよ。




そう思うとどうしようもなく笑えてきて、暫くは笑い続けた。