いや、だから…馬鹿にしてんのって!!


馬鹿にしてるでしょ!もしかしなくても!!



「そんなの必要ない。あたしは自分の体は自分で守る。……守る、とか…そういうの……」


「…………」


「必要ない!!!」



あたしは陸(結局そう呼ぶことにした)に向かって殴りかかる。


………と、その時。


―――パシッ―――


――――――――え…?


一瞬で…、いとも簡単に、あたしの拳を…止めた……?


うそ…うそ……!


一度も止められなかったあたしの拳を…コイツが…このヘラヘラした奴が…止めた……?


嘘だ…。そんなバカな……!!



「アンタっ…なにもの……!?」


「言ったじゃん。“お前に興味を持ったヤツ”だって」


「……っ、それだけじゃ…ない、でしょ……!!」


「……じゃー…」



このあたしの拳を止めるなんて…こいつなにもの……!?



「お前が、好きな奴?」



は…………?