居酒屋を出たとき、康太が手を握ってくれた。 「今日マジで楽しかった。ありがとう」 英美は康太の照れた笑顔に締め付けられるような苦しさがあった。 英美は我慢できなくなってお酒に酔ったふりをしてキスをした。 康太の唇はやわらかくてあったかかった。 「…おまえなぁ。」 康太は顔を真っ赤にしていた。 英美は康太の前では『魔性』ぶっていたのでニヤッと笑って 「帰るで!」 とスタスタ歩いていった。 心臓がバクバクいっているのを隠したかった。