英美は康太が「遊びに行こう」と誘っても理由をつけて断り続けた。

康太とは“職場だけの友達”でいたかった。


英美は彼氏が怖かった。

毎日のようにケンカしては泣かされ、時には手を上げることもあった。

『結婚しよう』という約束があったので、別れられなかった。

結婚が英美の夢だった。


暴力を受けていることは誰にも話せなかった。


“別れろ”
と言われるのがわかっていたから。