らっく!!~番外編~

『あなた、お茶をお持ちしました。』


芳枝は献身的に私に尽くしてくれた


「そこに置いておいてくれ。」


赤の他人よりは親密で、夫婦には程遠い


私と芳枝の結婚生活はそのような形で幕を開けた


「お仕事大変ですね…」


その頃の高梨カンパニーの経営は傾いていた


立て直すには時間と労力を惜しむわけにはいかない


芳枝に構う時間など正直言って、全くなかった…


「他に用があるのか…?」


芳枝はテーブルにカップを置いても部屋から出ていこうとしなかった


『いえ、ありませんよ?』


芳枝はソファーに座って、どこから取り出したのか本を読んでいた