『いえ?別に?』
彼女はキョトンとした顔でそう告げた
はっ?
予想外の答えに私は喉を詰まらせた
「いや、だって…」
『あの…私…極度の人見知りなんです…//まさか結婚相手があなただと思わなくて…っ…//』
彼女は照れたように顔を伏せた
「私のことをご存じで…?」
『はい…//父から噂は…。あと写真も…//』
写真…
そういえば忙しくて彼女の写真を見る暇なんてなかったな…
『あの…悠紀雄さんは結婚が嫌ですか…?』
彼女はおずおずと私を見つめた
本田家のご令嬢と結婚出来るんだ…嫌な訳がないだろう…?
「嫌ではないですよ。」
そう言うと彼女は安心したように顔を綻ばせた
華のようなその笑顔を私は一生忘れることはない
この時
私は29歳
彼女はまだ18歳だった



