「五十嵐、来い」



「はい。」



「ソフトボールを楽しんでるか?」

思いがけない先生の言葉。

「えっ?」



「全然顔に余裕がないぞ。こんな状況、もっと楽しめよ」



……そうだ


楽しむんだ


こんな最高の状況


楽しまなきゃ



「……はいっ!」




バッターボックスに立った私はどんなボールがきても打つ気満々だ




そして、運命の6球目……



ど真ん中ストレート




「打て。宙__!」