「宙~、疾風見なかっ……」



一声聞いただけでわかった



海だ。



とっさに唇を離したが、もう遅かった



「えっ……今何してたの疾風?」



「いや……これには色々あって」



「ちゃんと答えてよ」



「俺がこけたんだよな。宙!」



「そうそうそう!」



「あぁって感じで……あらまぁみたいな!?ハっハハハ……」



「えっ、……?信じてたのに……信じてたのに」



「だからぁ、」



「もういい!」



夜の病院に海の声が響いた。海は走っていってしまった



「海!……宙、ごめんな。俺がなんとかするから。行ってくるわ」



そう言い残し、海を追いかけた