「ギュッてして」



ギュッてして!?



「ギュッてしてって……ハグ?」



「うん。ダメかなぁ?」





そう言うから俺は素直にギュッてした。



ただの子供の憧れのようなものだろうと思ったから、



今の中学生は何を考えているのか……複雑だし、ギュッてした。






でも……何か違うものを感じたんだ、ビリッて。



宙の心臓の鼓動はきいたことがないみたいに、すごい速さでドキドキしていた。



顔を合わせると真っ赤になって逃げてしまった。




その夜、なぜか頭の中で宙のことを考えていた



今日だけじゃない。



あの日から、なぜか頭の片隅に宙がいる。



五十嵐宙、海の妹。



どうしたんだ俺?