零に付いてやって来たのは静かな住宅街だった。達也達はその住宅街の中に建つ中学校の前にいた。
下校時刻なのか、校門からは生徒がたくさん出て来ていて、全身黒ずくめの零といるのが何となく恥ずかしかったけど、生徒達には俺達の姿が見えてないから気にする事ないんだけど気になる。
もう慣れているのか、そんな事気にする素振りも見せず零はあるものを見つめる。
「あの女を神の元へ送る」
零の視線を辿ると、校門の前で出て来る生徒を見ている一人の女がいた。
四十代くらいだろうか、出て来る生徒を必死に見ている。誰か探してるのかな?
「なあ、あの人は何で死んだんだ?」
聞くと、零はタバコを吸いながら興味無さそうに答えた。いくら何でも吸い過ぎだろ。