「俺がやるかやらないかは聞かないのかよ」
「神の命令は絶対でね」
「ああ、そう」
神とやらはずいぶん自分勝手な奴のようだ。神の存在なんて半信半疑だったけど、そんな奴だなんてガッカリだな。もう何がなんだか分からなくなってるし。
零はタバコを足でもみ消し、
「お前に仕事を手伝ってもらう前に、お前の願いを一つ叶えよう」
「願い?」
「俺達は死んだ者を神の元に送る前に、そいつの願いを叶えてやるんだ。叶えられる願いにも限度はあるがな」
「俺を生き返らせてくれ!」
零の話も聞かず達也は叫ぶ。だが零は眉間に皺を寄せた。
「あ?」
「俺にもう一度命をくれ!」
「ダメだ」
「何でだよ!俺はまだ死にたくない!願いを叶えてくれるんだろ!?神様ならそれくらい出来るだろ!」