まだまだ死とは無関係だと思ってる桜井 達也(18)は、覚醒し始めた意識で枕元に置いた目覚まし時計に目をやり、跳ね起きた。
「あー!寝坊したー!」
今日は大切な彼女とのデートの日。遅刻すれば怒られる。最悪嫌われてしまう。
達也はベッドにパジャマを放り投げ、普段着に着替える。そして大きな足音を立てて階段を下り、洗面所で顔と歯を洗いボサボサになった髪を整える。
鏡に映る顔はもう18だというのにどことなく幼い。母親が童顔だからそれを受け継いでしまったのかもしれない。
達也がリビングに行くと、両親と妹の知佳(16)が朝食を取っていた。