絆創膏…持ってきたっけ。

座り込んだままでリュックの中を見ていると。


「アンタ、大丈夫?」


背の高い男子が私の目の前に立っていた。


「つか、そこ邪魔」


そう言われて辺りを見回すと、どうも私が邪魔になっている模様。

うう…ごめんなさい…

急いで立ち上がって痛む足を引きずった。


「忘れ物」

さっき聞いた低めの声が聞こえたと思ったら、肩に冷たい感覚。
緊張を抑えるために握ってたいちごみるくの紙パックを渡された。

「あ…ありがとうございます」

「俺もいちごみるく好き」

リュックから私が持ってるピンクのパックと同じものを取り出した。


わ…意外。なんか怖そうな人なのにいちごみるくが好きって…

「ふふっ」

少し面白くて笑ってしまった。



「アンタ、笑えるじゃん」

「え?」

「さっきから顔強張ってるし。笑えねぇのかと思った」


何なんだろ、この人。
無愛想かと思いきや優しい面があったり。
不思議な人だなー…