「もうっ、近くにいるならいるって言ってくれれば良いのに」
「悪い悪い。歩いていたらお前が見えたんだよ」
沙帆が野菜コーナーをウロウロする後を、洋太がついて歩く。
拗ねる沙帆に反して、洋太はおかしそうに笑っている。
「今晩は何を作るんだ」
「まだ決まって、ないけど……」
「そうか」
「……何かリクエストがありますか?」
沙帆の問い掛けに、洋太はううんと唸りながら店内を徘徊した。
「ちなみに今日安値なものは?」
「……豚ひき肉が少し安くなっていたような気が、」
「よし。それじゃあロールキャベツしかないな」
振り向いて言う洋太に、沙帆は頷いた。
固形のコンソメやキャベツをかごに入れてゆく。
白菜とキャベツという大きな野菜を見て、洋太はやはり沙帆を迎えに来て良かったと思った。

