二人のおうち

 

翌朝、沙帆が大学に到着すると皐月が沙帆に詰め寄った。
 

 
「昨日の男の人、誰!?」
 

 
皐月のあまりの大声に、学生達は驚いて振り返る。しかし皐月はそれを気にも留めていないらしい。
 

沙帆は驚きながら、皐月を宥めるように言った。
 

 
「お父さんの友達の息子さんなの。少し関わりがあって……」
 

 
皐月の気迫に、沙帆は洋太と一緒に暮らしていることは伏せておこうと思った。
恋人同士でもないのに、一つの部屋へ同居するのは、なんだかとても受け入れてもらえない気がした。
 

 
「そうなの?わざわざ車でお迎えだなんて……、良いなあ」
 

 
皐月は羨ましそうに言った。
沙帆は苦笑を漏らすしかなかった。
 

その一日、まだ続くサークルの勧誘を皐月と共に掻い潜りながら、過ごした。
 

そうしていると、慣れない大学で過ごす一日は終わるのが早い。
沙帆は夕食の材料の買い物をして帰宅しようと、足取りも軽く皐月に手を振った。