「洋ちゃんおはよう……」
 

 
洋太の部屋のドアをノックし、今日は洋太よりも早く起きた沙帆が顔を覗かせた。
 

洋ちゃんはまだ寝ているんだ、沙帆はそろりと眠る洋太へと近寄って行った。
 

 
「……洋ちゃん」
 

 
規則的な寝息を立てる洋太に、沙帆は思わず見とれてしまっていた。
 

 
「綺麗……」
 

 
まだカーテンの付いていない窓から差し込む朝日を受けて、洋太の白い肌が目立つ。
 

長いまつげと鼻と頬から顎へのライン。
綺麗の一言に尽きる。
沙帆がそれに見入っていると、その存在に気付いたのか洋太が目を覚ました。
 

 
「どうした?……沙帆」
 

「お、起こそうと思って」
 

「そうか、おはよう」
 

 
おはよう、と返すと沙帆はそそくさと洋太の部屋を出て行った。
 

そんな沙帆を不思議に思いながら、洋太は眩しい朝日に目を細めた。
そうしてよし、と洋太は部屋から出た。