がちゃん、と音を立ててドアが開いた。
荷物や家具を部屋へと運び終えた洋太は、リビングに寝転がりうとうととしていた。
ああ、沙帆が帰ってきたのだと、洋太は体を起こしてドアの方へと歩いて行く。
「沙帆、おかえ」
「洋ちゃんっ、卵アレルギーなの?」
「あ?」
沙帆のいきなりな不可解な発言に、洋太は思わず立ち尽くした。
沙帆は真摯な態度で洋太を見ている。
「いやまあ、とりあえず部屋に入ろう」
「うんっ」
洋太は、玄関にサンダルをひっかけたままの状態で立っている沙帆の買ってきた荷物を持ち、部屋へと移動した。
沙帆はありがとうと一言言うと、サンダルを脱いで部屋へと続いた。
「で、どうして卵アレルギー?」
「あのねっ、晩ご飯にオムレツを作ることに決めたから材料を買ったんだけど、洋ちゃんが卵アレルギーだったらどうしようって気付いたのがついさっきで」
ああなるほど、と洋太は苦笑いした。

