海の顔を隠すものがなにもなくなった。 絡まる視線にあたしは顔をもっと赤くした。 「萌亜……」 徐々に近づいてくる、海の顔。 色気たっぷりの、 従うことしか出来ないこの顔。 あたしはそっと目を閉じた。 海はあたしに、 「大切にするから」 そう言って、 一瞬触れるだけの優しいキスをした。