う、嘘。
嘘だよ。
だってこの指輪はなに?
なんで?
なんで?
「やだ………やだ!」
あたしは泣きながら叫んだ。
海は困った表情を見せて
あたしを抱きしめた。
「萌亜、落ち着けって」
「ヤダ!別れたくない!」
「萌亜!」
ビクッ
海が大声を出したことで、
あたしは叫ぶのを止めた。
あたしは必死の思いで
海に強く抱き着いた。
「ヤダ……ヤダヤダヤダ」
「萌亜……聞けって」
「ヤダ!別れない!」
「萌亜、大丈夫だから」
海があたしの頭を優しく撫でる。
ヤダよ……
別れたくないよ……
離れたくないよ……
海……。
「萌亜、俺がいつ別れるなんて言った?」
「……え?」
「言ってないだろ?」
た、確かに言ってない。
でも大阪に行くのは本当だし……。

