「親父、転勤が多いって言っただろう?本当はもうないはずだったんだけどな、次のところで偉くなれるらしくて…」 海はあたしから目線を離して、話す。 え、ちょ、待って。 転勤? 「どこに転勤するの?」 「大阪………」 その言葉に、 あたしの頭は真っ白になった。 だって、 ここは東京だよ? それってもう…… 「離ればなれになるの?」 あたしがそう言うと、 海は辛そうな表情で 「ああ……そうだ」 と言った。