「や……「おい、なにしてんだよ」 「やめて」 そう言おうとした時、 あたしの声に被ってきた あたしの大好きな声。 「あ?お前だれだよ。邪魔すんな」 あたしの腕を引っ張る男子が 海に突っ掛かる。 「あ?てめぇのほうが邪魔だ。人の女ナンパしてんじゃねーよ」 その低くドスの聞いた海の声に ゾッとした。 それはあたしだけじゃないみたいで、 あたしの腕を引っ張っていた力が弱まる。