あたしは瞬時兄さんに付いて、建物の裏の細い細い細道をあるいている。





うん、軽く5分は歩いてるでしょ。黙々と歩くけど、あんた歩調微妙に早いし、じゃっかん坂道だしキツイんだけど。





なんて言えないけどね。





「緩名、ここが俺の叔父の家だ」





ふと、一軒の立派な家の前で立ち止まった。この建物だけバロック様式風の豪華なのだが、なぜか目立つどころか、逆に地味に見える。明らかに空気の流れ違うだろ、この家ー。