「大丈夫だ、お前ならやれる」



「え!?何を根拠に言ってんの!?‥‥‥もー、分かったやります」



「よしっ!そうと決まれば、特訓だな!‥‥あ、それと、さっきの英語の翻訳の件。もう魔法かけといたからな」



「え?マジ?ありがとーございます!助かりますホントに」



「まあな。じゃ、行くぞ」






あたしは瞬時兄さんの後に付いて、マスターのいるホールに行った。


それから1週間、あたしは風呂と、マスターの作る朝昼晩のご飯を食べるとき以外、ホールの一番奥のテーブルで、瞬時兄さんに勉強を教わった。



あたしは、とても1週間で終わりそうもなかった、あの分厚い本の3分の2を無事終わらすことができた。




勉強ばっかりだったけど、以外に楽しい1週間だった。



お店の常連さんと仲良くなったり、マスターと世間話に花を咲かせたり。その度に瞬時兄さんに怒られたけど、最後の方は兄さんも、世間について熱く語ってた。




今までにないほど充実した1週間は、矢を射つように過ぎていった。