「それよりマスター‥‥‥」 瞬時兄さんが何か曖昧に言いかけた時、マスターはズボンのポケットから、何やら古くさそうな鍵らしきものを取り出した。 「はいはいはい。どうぞお使い下さい。‥‥‥二人きりで変なことするなよ?」 と、マスターの一言多い言動に呆れ顔をしながら、瞬時兄さんは差し出された古い鍵の様なものを受け取った。 そして、アタシに「こっちだ」と言いながら、カウンターの横から伸びる、奥に続く廊下に入っていく。